[老後資金の貯め方]代表的な手段のメリットとデメリットを解説

先日ご紹介したように、老後に必要な資金は、年金以外に、およそ2,000万円ほどであると試算できます(あくまで一例です。もちろん、世帯構成員や、いくつまで生きるかに、大きく依存します)。

さて、今回は、老後資金を貯めるための具体的な手段をご紹介します。




はじめに

老後資金を貯めるのは、非常に大切です。

そのためには、毎月の収入の一部を、貯金や運用にまわすことになります。

そのため、月々に使用できるお金がどうしても減ります。

ここで大切なのは、いくら老後のため、と言っても、今の生活を犠牲にするのは、問題であることです。

人生のうち、今でしか楽しめないこともたくさんあるはずです。

後々後悔しないように、今を幸福に暮らすことを前提に、老後資金を準備することをお勧めします。

老後資金を貯める手段

資金を貯めるための手段としては、例えば、以下の手順が挙げられます。

  1. 預貯金(貯蓄)
  2. 個人年金保険
  3. 終身保険
  4. 確定拠出年金(iDeCo)
  5. つみたてNISA

以下、それぞれの手段について、メリット及びデメリットをまとめます。

A 預貯金(貯蓄)

お金を「貯める」手段として、最もポピュラーなのは、預貯金であると考えます。

  • メリット

預貯金は、基本的に元本保証であるため、「減らさない」手段として優秀です。

一方で、預貯金は、金利が低いこの時代には「増やす手段」として貧弱である、と言われています。

しかしながら、楽天銀行(https://www.rakuten-bank.co.jp)やイオン銀行(https://www.aeonbank.co.jp)などのネット銀行では、普通預金でも金利が高いため、預貯金も意外と「増やす」手段として優秀であると考えます。

特に、短期定期(2週間、1ヶ月、3ヶ月、半年など)で預け入れていると、突然の支出にも十分対応できます。

例えば、楽天銀行では、楽天証券の口座とのマネーブリッジに申し込むことにより、金利がなんと年0.01%となります(https://www.rakuten-bank.co.jp/assets/intermediation/moneybridge/)!

また、メガバンクやネット銀行においては、一定金額以上を預け入れていると、時間外手数料無料、振込手数料無料などの特典を受けられるサービスがあるところがあります(参考:http://ma-bank.net/word/130/)。

これらのサービスは、通常生活における余計な支出を地味抑えることができます。

特におすすめなのが、メガバンクの一つ、みずほ銀行の「みずほプレミアムクラブ」です(https://www.mizuhobank.co.jp/index.html)。

金融商品1,000万円以上且つ口座残高50万円以上などの条件を満たしていると、入会の案内が届きます。

まずは1,000万円をコツコツ貯めて、入会資格ゲットを目指しましょう!

・デメリット

預貯金のデメリットとしては、第1に、銀行は破綻する可能性がゼロでないことが挙げられます。

ただし、銀行が破綻しても、預金保証制度制度により、1,000万円までの預貯金と、破綻までの利息とが保護されます(参考:https://www.dic.go.jp/yokinsha/page_000134.html)。

また、預貯金は、インフレに弱い、と言われています。

物価が上がり、お金の価値が下がってしまう、すなわちインフレが起きると、実質的に資産が減ることになります。

ただし、そこまでのインフレは今後起こらないだろう、という意見も強いです。




預貯金の利用法

以上を鑑みると、預貯金はそこまでデメリットがないと考えます。

例えば、預貯金の利用法としては、例えば、

・特典が受けられる銀行で、特典を受けられるギリギリの預貯金をする(みずほなら、1,000万円);

・突然の支出に対応するために、短期定期で利息の高い銀行に一部を預け入れる

ことが考えられます。

個人年金保険

公的年金以外の民間年金保険を、一般に個人年金保険と言います。

年金の受け取り方には、例えば、以下の方法があります。

  • 終身年金:被保険者が亡くなるまで年金を受け取る;
  • 保証期間付終身年金:終身年金の一種。被保険者がなくなっても、最初の数年は年金を受け取ることができる。
  • 確定年金:被保険者の生死に関係なく、定められた期間、年金を受け取ることができる。
  • 有期年金:定められた期間の間、被保険者が生きている間のみ年金を受け取ることができる。
  • 保証年金付有期年金:有期年金の一種。被保険者がなくなっても、最初の数年は年金を受け取ることができる。

 

受け取る年金額は、契約時に決まっている定額型と、投資信託の制度を取り入れた変額型とがあります。

  • メリット

個人年金保険の最大のメリットは、月額支払い料が決まっているので、強制力があることです。

また、解約のハードルも高いため、預貯金よりも継続できる可能性が高いです。

自分の意思でコツコツと貯めることが苦手な人には、向いている手段です。

また、個人年金保険は、保険料控除を受けることができます。

節税しながら、老後のための備えをすることができるのです。

  • デメリット

個人年金保険の最大のデメリットは、途中解約をすると、元本割れをしてしまうことです。

また、「保険」ではあるものの、万が一の保証がない商品があります。

そして、契約時の収入状況が変わって、積み立て金の負担が高くなっても、一般に積み立て額を減らせない点もデメリットであると考えられます。

  • 個人年金保険の利用法

個人年金保険は、若いうちに加入すれば、多くの金額を積み立てられるので、メリットが高くなります。

したがって、20代、30代前半であれば、個人年金保険を初めて見るのもアリだと思います。

ただし、節税効果ではiDeCoに劣り、受け取れる金額は終身保険よりも少ない、という面もあります。

そのため、個人年金保険の利用は、優先順位としては決して高くないと考えます。

終身保険

終身保険は、(1)保証;及び(2)長期的な貯蓄機能を備えた商品です。

  • 保証

「保険」であるため、万が一の保証が付いています。

保証の内容は、商品によって様々です。

  • 貯蓄機能

終身保険の保険料は、定期保険のそれに比べて割高です。

けれども、終身保険は、途中解約すれば解約返戻金があります。

  • メリット

終身保険には、預貯金よりも高いリターンがある商品もあります。

そのため、預貯金の他に数百万程度のお金があれば、一括支払いの終身保険であって、リターンが高い終身保険に加入することをお勧めします。

また、保険は、保険料控除の対象となります。

そのため、節税対策の一つとして利用できます。

そして、何より、終身保険には保証があります。

契約者が万が一の場合も、家族に保険金が下りる商品もあるのです!

  • デメリット

ただし、途中解約で受けとれる解約返戻金が払込保険料の合計よりも少ない商品も少なくありません。

また、払込が終了すれば解約返戻金が払込保険料の合計よりも多い商品でも、例えば払込期間を満了しなければ、解約返戻金があります。

そのため、選択する商品は、慎重に選ぶ必要があります。

  • 終身保険として選ぶなら

以上を踏まえて、お勧めできる商品としては、太陽生命の「My介護BEST」(https://www.taiyo-seimei.co.jp/lineup/download/banking/nursing_hoken/kaigo-shonai.pdf)が挙げられます。

ただし、全期前納型の契約がオススメです。これは、5年過ぎれば、払込保険料よりも高い解約返戻金がもらえるからです。

また、この保険は、介護の保証が付いている点でもお勧めできます。

確定拠出年金(iDeCo)

政府は、国民一人一人が老後資金を準備できるような制度を作りました。

見方を変えると、国に任せっきりじゃなく、自助努力でどうにかしなさい、ということです(おいおい、、、)。

そんな制度の一つが、確定拠出年金(individual-type Defined Contribution pension plan:通称iDeCo(イデコ))です。

iDeCoは、老後資金を個人で積み立てていく仕組みです。

具体的には、定期預金や投資信託などから、契約者が運用商品(金融商品)を選びます。

積立の最低金額は月5000円で、上限金額は職業(企業年金の有無など)によって異なります。

  • メリット

iDeCoの最大のメリットは、積み立てた金額に対して税金がかからない(=所得控除)ことです。

年末調整、または確定申告をすることにより、積み立てた金額に応じて税金が戻ってきます。

また、運用益に対して、税金がかからないというメリットがあります。

  • デメリット

最大のデメリットは、積み立てたお金及び運用資金は、原則60歳まで引き出せないことです。

老後資金の準備のためなので、致し方ないのかもしれません。

また、定期預金などの元本保証型の商品以外は、運用結果により、元本割れすることがあります。

また、口座管理に手数料が必要です。

運用益が口座管理手数料を下回った場合、節税効果はありますが、元本割れをしてしまいます。

  • iDeCoの利用方法

iDeCoは、60歳まで現金化できないという大きなデメリットがあるせいで、あまり広まっていない気がします。

しかしながら、iDeCoは、今回紹介する手段の中で、最も大きな節税効果があるため、特にオススメの手段です。

特に、厚生年金等のない自営業の方は、最大年間約80万円を積み立てることができ、その分節税金額も大きくなります(積み立てる金額の全てが戻ってくるわけではありません)。

ただ、口座管理手数料を考えると、あまり消極的な金額で利用しても、元本割れの可能性が高くなります。

したがって、預貯金以外の優先的な選択肢としてiDeCoを利用することをお勧めします。

そして、日々の暮らしを圧迫しない程度の金額で利用することをお勧めします。

なお、銀行、郵貯などでもiDeCoを利用することができますが、お勧めは、楽天証券などのネット証券です。

ネット証券は、ネット及び郵送で申し込みをすることができるのに加え、選択できる商品の数が比較的多いからです。

特に、楽天証券は、先ほど紹介した楽天銀行とのマネーブリッジで普通預金の金利を上げることができるだけでなく、iDeCoへの入金もスムーズになるのでお勧めです。

NISA(つみたてNISA)

つみたてNISAも、国が策定した、老後資金を自助努力で積み立てる制度です。

つみたてNISAは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度となっています。

つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。

  • メリット

つみたてNISAの最大のメリットは、各年に購入した投資信託を保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)とが、購入した年から数えて20年間課税されない点があります。

通常、投資信託で得た利益には20%の税金がかかるため、この税金がかからないのは、とても大きいです。

また、少額での分散積立投資により、購入価格の安定化が図れます

  • デメリット

つみたてNISAには、一般的な投資信託と同様に、運用により元本割れするリスクがあるものの、それ以外のデメリットはないと考えます。

ただし、年間40万円までしか投資できないことや、いつから始めても投資可能期間が2037年までという点が欠点であると言えます。

老後の資金準備のために、つみたてNISAだけを利用する、というのは少し心もとないと考えます。

  • つみたてNISAの利用法

積立可能な期間が2037年までと決まっているので、つみたてNISAを始めようと思ったら、すぐ実行すべきであると考えます。

また、扱っている商品が多いのはやはり楽天銀行などのネット証券です。

ネット証券は、手続きも簡単です。

資産管理が容易になるのもあるので、iDeCoと合わせて、同じネット証券を利用するのがベストなのではないかと思います。

まとめ

以上、典型例を紹介してみました。

リスクとリターンとを天秤にかけて考えると、筆者としては、以下の組み合わせをお勧めします。

  • とりあえず、みずほ銀行で1000万円を貯金。みずほプレミアムクラブに入会。一部を定期預金。
  • 楽天銀行及び楽天証券で口座開設。マネーブリッジ利用。
  • 楽天銀行で、短期定期の利息が上がったタイミングで、資金の移動を行う。
  • 楽天証券で、iDeCoとつみたてNISAとを始める。
  • 余裕ができたら、全期前納型の終身保険に加入。

 

しかしながら、老後資金の準備には、他にも色々な手段があります。

奨学金や住宅ローンの繰上げ返済なども、可能な限り検討したいところです。

なお、冒頭に申し上げましたが、いくら老後のためとは言っても、現在の生活を犠牲にするのは、間違っていると思います。

各人の状況に応じて、できる範囲で老後資金を準備しましょう!