年金制度の先行きが不安な今日この頃。

1990年では、一人の年金受給者を5.1人の現役世代が支えていました。

しかしながら、少子高齢化が進み、2025年には、1.8人で1人の年金受給者を支えることになるそうです(総務省資料より)。

そのため、現役世代は老後の資金を年金だけに頼ることはできない時代になっています。

このような状況になってしまったのを嘆いても、社会を批判しても、何も好転しません。

したがって、現役世代は、出来るだけ早く、老後の資金の調達を実行する必要があります。

しかしながら、人間目標がないと、計画をうまく進められないものです。

果たして、老後に必要な資金はいったい幾らなのでしょうか?



世間の老後資金のイメージ

ソーシャルレンディング比較サービス「クラウドポート」は、2017年に、20代から60歳以上の男⼥ 583名に老後資金に関するアンケートを行い、その結果を発表しています。

「老後資金に必要な金額はいくらくらいのイメージがありますか?」という質問の答えが以下の図です。

このように、約4分の1の人が、老後に必要な資金について具体的にイメージができていないことが分かります。

そして、イメージができている人の中でも、その金額がまちまちであることが分かります。

そこで、今回は老後に必要な資金をパターン別に解説していきます。

65歳以上の生活について

65歳以上の生活について考えていきます。

なお、人生様々であり、お金のかけ方などは千差万別ですから、あくまで以下に示すモデルは、私が考える典型的なものであることをご承知ください。

2人暮らしの場合

子供が独立、又は子供がいない高齢のご夫婦のイメージです。

なお、子供と同居している場合、子供の収入や子供に係る支出もあるため、このモデルには含めていません。

支出
家計調査年報からこのモデルの月当たりの平均支出額をまとめてみました。

平均支出
食費 \70,000
住居 \70,000
光熱費 \20,000
通信費 \28,000
雑費(医療費含む) \62,000
計 \250,000
なお、上記表の金額は、大まかなものです。

なお、持ち家がある人は、住宅費に係る金額が幾分下がるかと思います。

上記表から明らかなように、ご夫婦の趣味にもよりますが、食費、住宅費、雑費が主な支出項目となっています。

収入

65歳以上で給料等の収入ありの方は、収入の金額が読めないので、ここでは年金以外の収入なしの世帯の収入を検討します。

総務省の家計調査年報によると、夫婦世帯の年金支給額平均は「191,880円」であるとのことです。

ただし、人間だれしも死という避けられない結末があります。

そのため、夫婦そろって暮らしていても、最終的には単身となってしまいます。

夫婦どちらかが亡くなると、年金収入が激減します。

そのため、ここでは、上記年金受給額を3/4して、約145,000円を、このモデルの月当りの収入とします。

収支

以上の通り、このモデルでは、月当りの支出が約25万円であり、月当たりの収入は約14.5万円となります。

そのため、このモデルでは、月当たり約10.6万円の赤字となります。




一人暮らしの場合

このモデルは、生涯独身の方、又は夫婦のどちらかが先立ってしまった世帯をイメージしています。

先ほどと同じく、子供のいる世帯は考えに含めていません。

支出

家計調査年報からこのモデルの月当たりの平均支出額をまとめました。

平均支出額
食費 \36,000
住居 \15,000
光熱費 \13,000
通信費 \14,000
雑費(医療費含む) \79,000
計 \157,000
一人暮らしの世帯は、持ち家があるか、料理を作れるか、など、支出が変化する要因がたくさんあります。

そのため、二人暮らし以上に上記表は2人暮らし以上に参考的なものとなります。

一人暮らしでは、光熱費は2人暮らしよりは少ないですが、食費及び雑費は2人暮らしと同程度又はそれ以上となります。

収入

ここでも、年金以外の収入なしの世帯の収入を検討します。

総務省の家計調査年報によると、夫婦世帯の年金支給額平均は「107,171円」であるとのことです。

収支

以上の通り、このモデルでは、月当りの支出が約15.7万円であり、月当たりの収入は約10.7万円となります。

そのため、このモデルでは、月当たり約5万円の赤字となります。

老後に必要な資金の概算

以上の考察を踏まえ、老後に必要な資金を概算します。

二人暮らし(一人暮らしとなる可能性を含める):年間約127万円(=10.6×12)

一人暮らし:年間約60万円(=5×12)

65歳退職後、70歳、75歳、85歳、90歳まで生きるとすると、必要な資金は、以下のようになります。

2人暮らし, 1人暮らし
70歳まで 635 ,300
75歳まで 1270, 600
80歳まで 1905, 900
85歳まで 2540 ,1800
90歳まで 3175 ,2100
(単位:万円)

まとめ

以上のような単純なモデルによると、85歳まで生きると仮定した場合、2人暮らしでは、年金以外の資金として、2500万円程度が必要となる計算です。

ただし、長生きをするとそれだけ年金収入は増えますし、生活を工夫すれば赤字額は減ります。

また、一人暮らしでは、単純比較では2人暮らしよりは少ない計算となりますが、医療費などはかさむ可能性があります。

そして、この概算は、生活レベル、お子様やお孫様からの援助などを考慮していません。

以上を鑑みると、私の考えでは、二人暮らし及び一人暮らしのどちらでも、余裕のある老後生活に必要な資金は、年金以外に「2000万円」ほどではないかと考えます。